美徳ではありますが、大人し過ぎて自己主張ができない保育士がたどった、保育士としての挫折と現場復帰。キーポイントは、全てにおいて無理のない転職先選び。やっぱり自分に適した保育園で働くことが一番輝けるんですよね!

大人しい保育士の経歴

平成29年2月某日、私は阪急電車のとある高架の駅で下車しました。

階段を降り改札を出て、飲食店が並ぶ通路を抜けた高架下のファーストフード店に向かいました。出張面接の為です。

そこで待ち合わせをしていたのが、黒髪のひっつめ髪が印象的な0さんでした。

第一印象は大人しく、マナーなどはしっかりしていましたが挨拶は控えめな感じでした。

ファーストフード店内でテーブルをはさみ着席し、当社と転職サポートの簡単な説明をいつものように一通り説明させてもらいました。リアクションも控えめでしたがしっかり目を見て聞いてくれていました。

その後彼女の経歴に目を通すと…

 

・平成28年3月

保育士養成専門学校卒業

・平成28年4月

認定こども園に正社員として入社(0歳児担当)

・平成28年11月

同認定こども園退職

・平成28年12月

小児用玩具小売店にアルバイトとして入社

 

私と会った時点ではおもちゃの小売店で販売のアルバイトをしていました。

まずは一番気になる点を率直に聞いてみました。

真面目に見えた彼女が1年も経たず年度の途中で退社した理由です。

 

退職の理由

「若くて大人しい保育士に対するこども園側の甘えとその結果」

0さんが勤務していた認定こども園では、園長の方針なのかバレーボールの活動が盛んだったようです。平日は木曜日の勤務終了後、休日の土日にも練習や試合があったようです。

ただ、人数が足りない時は新人保育教諭がバレーボール経験の有無にかかわらず参加するという伝統があったようです。0さんは断る事が出来ない性格の為、活動に参加していたようです。本人にバレーボールの経験はありません。

真面目な0さんは目の前のことに言われたとおりに取り組みました。新卒で慣れない日々のこども園での業務、時には家に持ち帰っての事務仕事、そしてバレーボール...。休日やプライベートも犠牲にして全てに手を抜かず取り組んだ結果、心と体が耐えられなくなったようです。

再び保育の現場を希望した理由

上記のこども園では短期間で色々なことがありましたが、子どもたちの素直さに日々、小さな感動があり仕事自体にはやりがいを感じていたこと。保育業界から離れてやはり「子供が好き」という自分の学生時代からの気持ちを再確認したとのことでした。

 

登録面接で0さんの話を聞きながら、私は保育園の案内で次の条件で提案しようと思いました。

①最初は無理なく就業時間は短めのアルバイトから、慣れればフルタイムの正職員に

②時間外の業務や休日の活動が少ない園

③以前のこども園からある程度距離の離れた園

理由は以前の本人の経験から無理なく働いてほしい、実家住まいなので収入や就業時間に強いこだわりがない、本人の性格等を私なりに分析してです。

0さんともこの方針で次の就業先を探すということで一致しました。

Oさんの転職先の確保

次の日から私は③に該当する園様へ0さんと①の条件の打診を行い、受け入れ可能という園様に実際に足を運び担当者と打ち合わせや0さんの以前の経験を話す機会を設けたり、園の様子を拝見し、0さんの長所である真面目さが生きるであろう園を私なりに比較検討しました。そして一つの保育園を0さんに提案すると、本人もその保育園で再チャレンジしてみたいということになったので面接を設定しました。

 

以降、私は安心し、喜んでいました。まじめで誠実な0さんと信頼のできる保育園は必ずマッチングしお互いにとって良い出会いになると確信していたからです。

面接後、すぐに園様から採用のお返事を頂き0さんの就業が決まりました。

 

時々、0さんの状況の確認で保育園に連絡を取りますが、今ではフルタイムで働き来年度は正職員として勤務するそうです。

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