大阪市について
大阪市は、24区で構成された大阪府の中で一番人口の多い市です。大阪市は、行政・経済・文化・交通の中心都市であり、大阪府だけでなく、関西地方の発展中心地と言えます。ですがその発展の陰で待機児童問題や子育て問題など多くの問題を抱えています。そのため市政としては保育士確保や、子育て支援にはかなり力をいれており、時として革新的な取り組みなどが話題になる事もあります。
ちなみに大阪市の待機児童数はどうなっているのでしょうか?2018年2月現在調べの大阪府の待機児童情報は、2017年4月1日付のものが最新の情報となります。それによると待機児童数は325人!なんと前年よりも52人も増えてしまったそうです。前年は、利用枠を新たに1,990人分を確保するといった政策も取られていましたが、それを上回る規模で需要があったようですね。やはり大阪府の中で人口最多をほこる大阪市。これからも保育においてはさらなる対策が必要となりそうですね。
保育環境への取り組み
次は大阪市で行われている保育の取り組みについてご紹介します。
保育士の子どもを最優先に保育施設入所
これはその名の通り、保育士の子どもは優先的に保育所に入所できるという政策です。今までは、一般の家庭と同じように、保育士のいる世帯も保育所入所の際、同じ方法で点数付けを行なっていました。そうすると、例え市内の保育所などで保育士として復職を希望していても、点数の低い家庭は保育所に子どもを預けることができず、結果保育士不足に繋がる事態を招く可能性がありました。この政策はそうした事態を防ぐために設けられたそうです。こうした仕組みは既に全国の自治体で少しずつ導入されているそうです。
なお大阪市では2017年よりこの政策を導入しており、2018年も引き続き継続されるそうです。保育士であれば保育所だけでなく認定こども園や小規模保育事業、家庭的保育事業、すべてにおいて優先利用が認められるので、該当する!という方はいち早く確認されることをお勧めします。
- 【保育士の子どもを最優先に保育施設入所の条件】
- 派遣職員は不可
- 市内保育施設にて月20日以上かつ週30時間以上勤務
保育士として一人でも復職できれば、その分多くの子ども達が保育園に入所できますし、効率的な政策かと思います。 また優先入所だけでなく、保育料の貸付も行ないます。大阪市内で働く保育士が、自分の子供を預ける場合、平成28年12月以降からの勤務であれば上記の条件を満たしていれば、「貸付金(※注1)」を受けることができます。
- (※注1)【貸金について】
- 保育料の2分の1(上限月額2万7千円)を貸し付け
- 2年間同じ施設で継続して勤務する場合は貸付金の返還は免除
保育士として復帰したいのに、自分の子どもを保育所に入れることができない為、復帰できないなんてそんな残念な話はありませんよね。全国的に見てもこういった事例は少なくないようで、我が子を保育所に入れられないが故に、働くことができない!といった悩みを持つママ保育士は多いようです。少しでもママ保育士の負担が減り、就業に繋がり、待機児童が少なくなって、その他の業界で働くママの負担も減れば、こんなに素敵な事はありませんよね!制度がしっかりと作用し、皆が笑顔になれる子育て環境ができて行けばいいなと思います。
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潜在保育士就職支援事業&特別給付金制度
この二つの制度にはそれぞれ違いがあります。潜在保育士就職支援事業は貸付制度であり、返還の必要があります。(条件を満たせば免除あり)特別給付金はその名の通り給付されるものなので、返還の必要はありません。しかし給付金を受けるには要件を満たす必要があります。どちらも、「保育士の仕事を始めたい!」という方には心強い制度となっていますので是非チェックしてみてくださいね!
【潜在保育士就職支援事業について】
この制度は2016年4月以降に保育所等に就職した保育士で、保育士登録後1年以上かつ保育所等を離職後1年以上経過した方を対象に、就職準備金として20万円を上限に貸付を行う制度です。この制度を利用し、就職後2年以上継続して保育に従事した場合、この貸付額は全額返還免除になります。
また大阪市のホームページ上では、2017年4月以降に採用される保育士については上限額をさらに40万円に引き上げる予定との発表もされています。 http://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000382557.html
【特別給付金制度について】
この制度は市内の民間保育所などが常勤の保育士を新規で採用した場合に、2年間で20万円を限度に特別給付金を支給する際、大阪府が補助をするという事業です。
養成校を卒業したり、独学で保育士試験に合格した保育士の就業促進目的で行われています。(※2016年度より実施されている潜在保育士の就職準備金を貸付する事業に該当する保育士は対象外です。)
ただこういった制度には申請が必要なため、全てのケースにおいて100%準備金や給付金が適用となるわけではありません。しかしいずれにしても保育士として働き始める節目に、こういった補助が支給されるのは、保育士にとっても嬉しい事ですね!
保育士宿舎借り上げ支援事業
これは国の補助制度を利用した事業です。市内の保育所に新規採用が確定した常勤の保育士に宿舎を借り上げる時に月8万2000円を限度として、一部・または全額補助をする事業です。大阪市に住み、保育士として働いてもらいやすいよう、一人暮らしをする際、大きな負担となる家賃を補助することで、大阪市で働く保育士の増加を目指すことが狙いです。
【※2017年以降からの対象者拡充】
またこの事業は、2017年よりさらなる保育士人材の確保を広げるため、補助対象要件が拡充されました!今まで新規採用者のみ対象でしたが、2017年からは新たに「10年以内の常勤保育士」も対象となりました。なお補助上限額は6万1000円と新規採用者と若干異なりがあります。新規採用者だけでなく既に働いている保育士の方も対象となると、該当される方はかなり多くなるのではないでしょうか?
他業種と比較して低賃金といわれる保育士にとって、このような直接的な金銭による支援は、とても助かる制度だと思います。前述の特別給付金も、この保育士宿舎借り上げ支援事業も、せっかくの補助制度ですから出来得る限りひとりでも多くの保育士さんに活用して頂きたいですね!
一人暮らしの中で、月々の一番大きな出費はやっぱり家賃!そして家賃は固定費であるため、節約で減らすことが難しいうえ、一番大きな負担となるのが痛いところ…。しかし、こうやって宿舎借り上げの支援事業の支援があれば、一人暮らしの保育士の月々の出費が減り、豊かな生活ができるようになります。また「家賃の補助が出るなら、ここで働きたい!」など、保育士が足りない地域では保育士の就業を根ざす良い機会になると思います。職場環境だけでなく、自分の暮らしについても快適な環境をサポートしてもらえたら、仕事も頑張れますよね!
保育所等におけるICT化の推進
これは直接保育士に対しての補助ではありませんが、「働きやすい保育所づくり」の一環となるためご紹介します。内容は、国の補助制度を活用して保育施設の事務などに関連したシステム導入に必要な経費を1施設当たり100万円限度で一部から全額補助するという事業です。
指導計画や保育士日誌などの書類業務においてICT化を図ることで、日々の負担となる保育士の事務作業の負担軽減や保護者の利便性の向上、そしてそこからの保育士の処遇向上につながることをめざし、実施されています。
冒頭で直接保育士に対する補助ではないと述べましたが、このように保育施設の設備投資に対する補助を行うことで、保育士の職場環境がガラリと変化します。その結果、事務作業などが軽減、或いは簡素化されることで現場の保育士に対しても恩恵が得られるというものです。園側としては「外観や内装などのリフォームに充てたい」という声も少なからずあるようですが、大阪市が掲げる”保育人材確保”という冠の元、ICT化の推進による予算でもあるので仕方ありません。
政令指定都市である大阪市でも、子育て支援やそれに伴う保育士確保は重要な問題となっています。お金だけが解決の糸口だとは思いませんが、保育士として働くうえで、先立つものとして貸付金や宿舎の保補助金などは、嬉しい援助になるのではないでしょうか? またママ保育士に優しい、保育士の子どもを最優先に保育施設入所などは、具体的で効率的な政策と思います。このような政策から、少しでも保育士が働きやすい環境が整って行けばいいですね!